増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査
A 心エコー法
6. 3次元表示法の臨床
瀧聞 淨宏
1
1長野県立こども病院循環器科
pp.929-937
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102200
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はじめに
超音波装置やプローブの技術開発は急速に進み,3次元表示法,つまり3Dエコー法は2次元(2D)画像を3次元的に再構築する方法からリアルタイムにボリュームデータを収集して画像を構築するという方法に変わった.1990年代に開発され注目を浴びたTomTec社製3Dワークステーションエコースキャンは,心電図同期をかけて多断面の断層像を収集,統合してボリュームデータを作成し,それを任意の平面でカットすることで心内構造を観察する方法であった.しかし,呼吸性変動による断面のズレ,画質不良,画像収集と解析に時間を要することなどの問題から実際の臨床の場で用いられることは少なかった.
近年開発されたリアルタイム3Dエコーは,任意方向のボリュームデータをプローブの操作一つで短時間に収集することができるもので,画質も飛躍的に向上した.本稿では現在最新のリアルタイム3D心エコーが,どのように臨床に活用されているか述べてみたい.
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