失敗から学び磨く検査技術―臨床化学編
尿糖および尿ケトン体がいずれも強陽性の検査結果の報告には要注意―捨てられた尿ケトン体陽性の尿
油野 友二
1
1金沢赤十字病院検査部
pp.854-857
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101825
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“尿検査のパニック値”―このような視点で尿ケトン体陽性時の考え方と行動について考えてみたい.その背景にはこんなエピソードがあった.
“検尿の検体で浸透圧と電解質をお願いします”こんな臨床からの追加検査の依頼があったが,このとき,既に一般検査室では尿は廃棄されていた.よくある光景かもしれないが,追加依頼の可能性を尿検査担当者は予見できなかったのであろうか.担当者はこの検体は尿糖と尿ケトン体が陽性であるが,日頃よくある検体で問題ないと思ったとのことである.本当によくある例なのか.今一度考えてみたい.
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