失敗から学び磨く検査技術―臨床化学編
血清値と血漿値との差―迅速検査でも血漿には注意―採血管が違うのか?血清ではないのでは?
佐藤 裕久
1
1青森県立中央病院臨床検査部
pp.770-775
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101799
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近年,測定値の信頼性に加えより迅速な検査報告が要求される緊急検査時や,ワーファリン療法や抗凝固処置後の患者検体ではフィブリン析出が数時間持続する事例への対応として,ヘパリンリチウム(Li)入り採血管による血漿での測定も行われている.検査室ではあらかじめ抗凝固剤の種類別の影響を把握し,検査データチェックの際に適切な対応ができるように心がけている.
日常検査においては稀に“採取管が違う?血清ではないのでは?”と考えさせられる事例と遭遇する.今回,“血漿ではないか?”と考えられた事例を提示し,改めて血清と血漿での測定値の違いや抗凝固剤の影響について整理したいと思う.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.