私の一推し免疫染色
乳管内癌の確定診断のために神経内分泌マーカーが有効
森谷 卓也
1
1東北大学病院病理部
pp.554-555
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101748
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乳腺の病理組織診断を行う際に,良性・悪性の判定に迷うことは決して少なくない.特に,乳管内に上皮細胞が増殖する,いわゆる“乳頭状病変”では,判断に苦慮する症例の頻度が高い.このようなときに,良悪性の鑑別に有用な免疫組織染色マーカーがあればいいと思うことがあるが,なかなかクリアカットにいかないのが実情である.しかし,ある特定の組織像をとっている症例に限られてはいるが,免疫染色が癌の判定に有効となるケースがあるので,紹介する.
組織像の特徴は以下のとおりである.①拡張した乳管内に上皮細胞が増殖していること,②樹枝状の線維血管性間質が介在する増殖性病変であること,③さらに,間質に付随する上皮成分が強く重層化し,充実性の胞巣をとっていること,である(図1).
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