絵で見る免疫学 基礎編 44
血液型抗原(7)―免疫学的溶血
高木 淳
1
,
玉井 一
2
1アボットジャパン㈱器機診断薬事業部・営業学術
2栄光病院
pp.710-711
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101486
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赤血球の平均寿命は120日であるが,体内における免疫学的機構に起因する溶血によってその寿命が短くなる場合がある.例として不適合性の輸血,ある種の薬剤を服用した患者や感染症の患者などである.生体内における溶血には血管外溶血と血管内溶血があり,その多くは前者で脾臓におけるマクロファージの貪食作用によるものである.脾臓にはB細胞やマクロファージが多く存在し,抗体の産生が盛んであり赤血球は容易に感作されマクロファージがこれを貪食するためである.
マクロファージにはIgGのFc部分を結合するFcレセプターがあり,赤血球に感作されたIgGのFcを結合してこれを貪食する.また,赤血球膜上には,補体C3bを結合するレセプターが存在する.IgGとC3bの双方を結合した赤血球はIgGだけで感作された赤血球よりも迅速に貪食される.
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