復習のページ
尿検査における検体混濁―無晶性塩類について
足立 良行
1
,
小谷 和彦
2
1鳥取大学医学部附属病院検査部
2鳥取大学医学部臨床検査医学
pp.662-663
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101471
- 有料閲覧
- 文献概要
[不思議な尿検体との遭遇]
ある日,混濁を認める尿検体が提出されてきました.この検体は,酸性尿で,遠心すると沈の外観はレンガ色を呈していました.さて,この尿の混濁の原因は何でしょうか.白血球の増加?,細菌尿?,血尿?…….確かにこれらの状況で尿が混濁することは少なくありません.尿定性試験では白血球(-),亜硝酸塩(-),潜血(-)でした.
[検体尿の真相]
定性で陰性という結果が出ても偽陰性化は否定できません.尿沈を鏡検してみる必要があります.鏡検すると,黒色砂状の成分が観察されました(図1).そして白血球や細菌,赤血球のないことも確定できました.こういう場合は,混濁の原因の可能性として無晶性塩類の存在が浮かび上がってくるのです.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.