私の必要な検査/要らない検査
内分泌検査 1.甲状腺・副甲状腺機能検査―臨床医の立場から
紫芝 良昌
1
1国家公務員共済組合連合会三宿病院
pp.343-347
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101382
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検査の発達
臨床のどの領域でもそうであるように,検査法の発達・改良も大変な速度で進んでいる.先発した検査のうちでは,とうに不要となってきた検査もたくさんあり,それを整理してゆかなければ効率的な診断には至らないし,患者の負担も大変である.ある検査が不要となるには,以下の3つの理由のどれかによる.すなわち,①より合理的な検査法が普及した,②臨床上の知識の進化から不要と考えられるようになった,③理諭上必要であるが手技的に複雑であつたり,精度がよくないなどの理由で使用されなくなったなどである.これらの事情の背景をある程度は知ることが正しい検査の選択に必要である.
甲状腺領域
図は,ある検査会社が主として開業を中心とした小規模医療機関向けに作成している甲状腺検査の伝票である.歴史的,化石的な検査から最新の検査まですべて羅列してある.すべてを選択すると2,530点にもなってしまう.適切なものを選ぶとなると,ある程度甲状腺の診療に知識と経験とがないと困難である.
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