Laboratory Practice 血液:骨髄塗抹標本の見かた
FAB分類 [2]MDSに見られる形態異常―3)巨核球
黒山 祥文
1
,
大畑 雅彦
1
1静岡赤十字病院検査部
pp.334-336
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101380
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形態学的所見
図1-aでは,やや好塩基性が残る単核の巨核球が1視野に相当数認められる.表に示す検査データでは,血小板数が7.6×104/μlで骨髄中の巨核球数(1,922/μl)との間には,明らかな乖離が存在する(無効造血の所見).さらに注目すべきは,細胞質にはアズール顆粒が認められるまで成熟傾向を示すが,核の分葉は全く見られない点である.また中央には,成熟好中球の2倍程度の微小巨核球(矢印)(micromegakaryocyte,以下 m-megと略)も存在している.図1-bでは,円形の核が個々に分離した,いわゆる円形(分離)多核巨核球が認められる.
今回は,巨核球系細胞に種々の形態異常が観察された症例を提示し,そのアプローチを考察する.
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