増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
総論
9 無侵襲血液検査の現状と将来
桑 克彦
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科
pp.1050-1056
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101050
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Ⅰ. 無侵襲計測法
無侵襲あるいは非侵襲(non-invasive)の検査は,痛みなどを伴わないことから究極の検査法である.痛みを伴わない検査という点では,古くから尿検査がその代表とされてきた.また,いわゆる生理検査の多くも同様である.このうち生体情報の計測技術の進歩により,その画像化も含めて新しい臨床検査が開発されている.表1には無侵襲計測法による臨床検査の例を示した.
1 . 光を利用した生体情報計測装置
1) 近赤外線分光法
近赤外線分光法(near infrared spectroscopy,NIR)としては,ヘモグロビン量の計測とグルコースのモニタ(後述)に利用されている.
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