技術講座 生化学
平衡法と初速度法
山舘 周恒
1
1日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部
pp.825-829
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100991
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
新しい知見
酵素的分析法は平衡法と初速度法に大別されるが,オキシダーゼ系酵素を利用した平衡法で汎用されるパーオキシダーゼ(peroxidase)検出系(POD系)ではアニリン誘導体を中心とした水素イオン供与体の開発が進み,吸収帯が長波長側にシフトした呈色が選ばれるようになった.また,高感度な測定に利用されるPOD系にロイコ型の色原体も実用化された.初速度法による成分系の測定では,Km値の大きい酵素を用いる必要があるが,ミカエリス-メンテンの反応速度式(Michaelis-Menten equation of enzyme kinetics)を応用して,使用する酵素のKm値から一定の誤差内での測定可能域を算出することができる.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.