学会印象記 第55回日本医学検査学会
時々刻々と変わる時代に即した検査技師へ
長嶋 宏和
1
1藤田保健衛生大学医科学情報センター
pp.789
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100982
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私の専門である情報システムの演題では,IHE-J(Integrating the Healthcare Enterprise-Japan)を実装した病院システムの例が報告された.放射線関連では盛り上がりをみせているものの,臨床検査関連では影を落としているIHEではあるが,今回のシステム実装の例に伴い今後の臨床検査システムにおいても不可欠なものになるに違いないと思われる.今後の要チェック技術の一つである.
診療報酬改正,個人情報保護法施行前後の取り組みなど病院経営については個々の部署においても関心がさらに高まっている印象を受ける.今回の学会においても検査室の運営に関する演題(管理運営)では立ち見が出るほどの人気であった.ブランチ,FMS(facility managed system)など一時期においては,病院経営者からは求められるものの現場の技師からは嫌われる風潮があったが,本学会を含めさまざまな方向からの検討が進み,以前ほどのいがみ合いに近い対立はなくなってきたかのように感じる.雇用の条件,出向の問題点など今後も報告されるであろう.また,病院におけるシステム管理の医療情報部だけでなく,検査部内にも情報室がそう設されている例も報告された.技師の仕事が,検査数値結果報告だけでなく検査部運営の詳細情報を扱うようになったことを象徴する例であろうと考える.
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