技術講座 血液
成熟好中球形態―正常と異常の見分けかたを中心に
丹羽 欣正
1
1奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部
pp.105-110
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100464
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新しい知見
白血球分類は,現在多くの施設で一般的に実施されている.さらに,業務量の増大に伴い,フローサイトメトリーによる自動分類が検査システムの一端を担い,顕微鏡による形態的分類から白血球成分の分析へと変化してきている.しかし,自動白血球分類も現在のところ正常細胞に限られ,未熟好中球の検出および成熟好中球における形態異常の把握は,目視法による観察によって行われている.さらに,人の目に頼らざるを得ない成熟好中球の形態学的観察は,鏡検者の知識,経験により判定が左右され,一定の判定基準設定が要望されてきた.現在までの経過として,標準的判定基準設定を目指した日本臨床衛生検査技師会標準化委員会が推奨法を提案したが,完全なコンセンサスを得るに至らなかった.その後,この事業を確立するべく日本検査血液学会標準化委員会が引き続いて標準化作業に取り組んでいる.
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