技術解説
形態学のための採血法
松本 坦
1
MATSUMOTO HIROSHI
1
1慶応義塾大学中央検査部血液科
pp.693-696
発行日 1964年9月15日
Published Date 1964/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916807
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われわれがしばしば血液標本をみせられて,その所見を求められる場合,標本がきわめて悪く,血球が小さく萎縮していたり,染色のあがりが悪かつたり,細胞が大部分破壊されていたりして,正確な判読ができない事が少なからずある。そして,もう一度標本をとつてみたいと思うと,すでに患者は遠方に行つていたり,ある種の治療をはじめてしまつていたりして,最初にみせられた時と同一の状態での血液像を得ることはできなくなつてしまつていることがあつて,甚だこまるものである。
したがつて,血液標本は常に正しく作製することが要求される。とくにいかなる臨床検査室でもこの種の検査は,もっともroutineなものとして頻回に行なわれるものである関係上,検査室に勤務する人々が,常に血液の採取と,標本作製作には熟練していなければならない。
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