技術解説
皮膚真菌症の検査<2>—培養検査の実際
香川 三郎
1
1東京大学医学部皮膚科
pp.1225-1230
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916630
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
前回述べたごとく,真菌症であるか否かは直接検査により決定できるが,それがいかなる菌種によるものであるかは,病巣より原因菌を分離培養し,その菌について菌学的検査を行ない菌種を同定することによって始めて決められる。したがって培養検査には原因菌を病的材料中から分離培養することと,分離した菌につきその菌学的性状を知るための培養,すなわち同定用の培養の2通りが必要となる。
この各々の目的のために種々な培地が作られているが,これらの培地の組成,作製法等に関してはすでに本誌,本巻2〜7号に曾根田,川北両博士が詳述されているので,これを参照して頂くことにして,ここでは単に培地名を記すに止め,また培養検査ないし同定法についても両博士の記載との重複を避け,むしろ培養同定法に関する実際的な手技やそのさいの注意事項などを中心に解説してゆくこととする。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.