Japanese
English
外国雑誌より
ピペットを口で吸う危険性
Hazards of Mouth Pipetting
中 甫
1
,
SAM P. BAILEY
2
G.BRIGGS PHILLIPS
1
1東京衛生病院臨床検査科
2U.S. Army Biological Laboratories, Fort Detrick, Frederick, Maryland
pp.676-677
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915973
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●はじめに
ある種のピペットはおそらく実験室というものがはじまって以来科学者達によって基本的な器具として使用されてきている。"Pipette"という語は1830年にフランス国語に紹介されたようである。1860年以来細菌学の開拓者たちがピペットの使用ということをしばしばとりあげはじめた。1870年にはピペットの口をつける側に綿で栓をして用いることが一般の習慣となった。それにもかかわらず初期の時代の化学検査室ではピペットの使用で有毒物質をあやまって吸い込むというような事故をひき起した。記録に見られる最初の検査室における感染は1893年におこりそれは口で吸うピペットによるものであった。Kisskalt2)はチフス菌の培養液をあやまって吸い込んだ医師のことを報告している。その後,今世紀にはいってからおこなわれた検査室における感染についての調査はピペットを口で吸う時,検査室技術者の中に時々思いがけない感染をおこす者があるというはつきりとした証拠を示した。1915年にPaneth3)が57件の検査室の事故を分類してみたところそのうち47件が感染によるもので感染の40%以上がピペットを口で吸うことによるものであった。
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