Japanese
English
研究
硫化銀膜電極による髄液蛋白定量
Determination of Total Protein in Cerebrospinal Fluid with a Silver Sulfide Membrane Electrode.
森下 芳孝
1
,
中根 清司
1
,
高阪 彰
1
Yoshitaka MORISHITA
1
,
Kiyoshi NAKANE
1
,
Akira KOSAKA
1
1名古屋大学病院検査部
1Dept. of Clinical Laboratory, Nagoya Univ. School of Medicine
pp.936-939
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915201
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緒言
従来より,髄液蛋白定量においては尿蛋白定量と同様の方法が多く採用され,ズルホサリチル酸1)とかトリクロロ酢酸2)による比濁法が一般的である.これらの方法は蛋白組成により濁度が異なり,髄液としては多量の試料が必要であり,かつ測定時間も比較的長く,種々の問題が指摘されている.その後,ズルホサリチル酸に硫酸ナトリウムを添加し,蛋白組成による濁度差をなくしたMeulemans2)法が報告されたが,感度が非常に低いため髄液1.Omlを必要とし,濁り形成後の安定性が悪いなどの問題がある.また,最近Bradford3)は,クマシーブリリアントブルーG250を用いた色素法を報告しているが,試薬ブランクの発色が大きいこと,定量できる範囲が非常に狭いことなどが問題である.
1974年にAlexanderら4,5)は,硫化銀膜電極を用いて蛋白定量を試みており,著者らは彼らの方法を追試検討し,髄液の蛋白定量を応用した.
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