新しい機器の紹介
血清分離用採血管"バキュティナーSST"の評価
小幡 雅祥
1
,
岩本 敬子
1
,
村井 哲夫
2
1藤沢市民病院臨床検査科
2筑波大学医学群臨床医学系・臨床病理
pp.551-554
発行日 1978年5月15日
Published Date 1978/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914756
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はじめに
血清を使う臨床検査では,血清分離操作は不可欠の作業であり,このために要する時間と労力を省力化できれば検査業務の改善に寄与するところは大きい.通常血清は,血液を採取後一定時間放置凝固させ,遠心分離してその上清を保存用試験管に移し換えて採取する.この際フィブリン塊や血球の混入,溶血だけでなく,凝血塊と血清の長時間接触によっても血清成分の変化することが知られている1,2).血清分離操作を簡略化するとともに,これらの問題を解決する目的でプラスチック粒を利用する方法や,半透過性ディスクを用いるもの,シリコンポリマーを用いる方法などが考案されている.
我々は,真空採血管とシリコンポリマーが組み合わされ,効率よく採血及び血清分離と隔離ができるよう考案された血清分離用採血管"バキュティナーSST"(Vac-cutainer SST,Becton-Dickinson製,以下"SST")を使用する機会を得たので,本試験管につき従来の手法により得られた検体を対照として,①血清分離操作の比較,②測定値の比較,③検体保存用コンテナーとしての効果を検討した.その成績を報告する.
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