新しいキットの紹介
α-フェトプロテイン50‘栄研’による血中α-フェトプロテイン測定の検討
高木 康史
1
1千葉大学中央検査部
pp.546-548
発行日 1978年5月15日
Published Date 1978/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914754
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はじめに
胎児血清タンパクであるα-フェトプロテイン(α-feto-protein以下AFP)が肝癌移植マウスの血清中に出現することを1963年ソ連のAbelevら1)が発見し,Tata-rinovが4名の原発性肝細胞癌患者の血清中にAFPの存在を報告して以来,ゲル内免疫拡散法によって多数の追試研究報告が発表され,血清AFP定量が原発性肝癌及びその病状経過,治療効果の判定に役立つことが立証された.しかしゲル内免疫拡散法では約30%のAFP陰性症例があり,しかも陽性症例のほとんどが末期癌であった.そのため検出感度がより鋭敏な測定法の開発が要望された.とりわけ特異性,感度,定量性に優れたラジオイムノアッセイ2,3)が開発されるに及んで,原発性肝癌のみならず,小児科あるいは産科領域における各種疾患の診断にも広く応用される診断法になってきている.
今回著者は,新製品α-フェトプロテイン‘栄研’を使用して若干の基礎的検討,ならびに他社市販製品との比較について若干の知見を得たので報告する.
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