特集 小児の臨床検査
序
西村 昻三
pp.1159
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914523
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今日の臨床医学に各種臨床検査を欠かせないことは周知の事実であるが,小児の検査となると,つい,二の足を踏みがちになるようである.一体,小児の検査の特殊性とは何であろうか? 換言すると,成人を対象とする臨床検査と異なる点は何であろうかということになる.
よく,小児は成人のサイズを小さくしただけの存在ではないと言われる.出生時,体重約3,000g,身長約50cmであった新生児が,最初の1年間で体重は3倍以上に,身長は1.5倍になり,その後も発育し続けるのである.このようなサイズの増大のみでなく,生まれたころは,飲んだり,泣いたりする以外は一日の大半をうとうとと眠ってばかりいたものが,やがて目が見え,笑うようになり,首がすわり,お座りや,寝返りができるようになり,独りで立ち,歩けるようになっていく.すなわち,このように機能的にも分化発達をしていくが,これはサイズの発育といつも並行して進んでいくものである.
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