今月の主題 周産期の臨床検査
新生児の病気と検査
奇形
長谷川 知子
1
Tomoko HASEGAWA
1
1静岡県立こども病院遺伝染色体科
pp.1111-1114
発行日 1988年10月15日
Published Date 1988/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913759
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出生した新生児が奇形を伴っていた場合,いかに検査を進めていくかという問題に対する答は,原則として他の疾患と同様に行うこと,すなわち検査の目的を明確にし,系統だった方針の下に実行し,さらに,患児の状態に応じて臨機応変に適応を変えていくことである.検査の主な目的は,現症の把握,奇形の診断(合併奇形の有無とその診断も),治療の適応判定,原因究明などである.奇形の診断で特殊なものとしては,次子の再発の有無を調べる胎児診断がある.外表奇形をみた場合,内臓奇形や骨奇形などを伴っている可能性をつねに念頭において検査を進めていかなければならない.そのためには,チーム医療が必要である.また,診断法が正確・精密になる程早期に診断可能となるので,家族への心理的・社会的援助も一段と重要になる.
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