今月の主題 透析と血漿交換
技術解説
血液粘度測定法
磯貝 行秀
1
Yukihide ISOGAI
1
1東京慈恵会医科大学第3内科学教室
pp.1429-1436
発行日 1987年11月15日
Published Date 1987/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913504
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血液粘度測定は,臨床検査の重要な項目として定着しつつあるが,歴史的にみるとリバイバルの感もある.しかし,精度の高い,しかもヒト循環動態を踏まえた,ずり速度可変性の粘度計の登場は最近相ついでおり,精度の高い粘度測定に関心の高まりをみせている.粘度計には各種のものがあり,ずり速度範囲,精度の保障限界があるので,十分わきまえて使用すべきである.
測定技術のうえで大切なことは,血液試料の扱いと調整である,赤血球は集合し,容易に沈降し,血漿分離をきたすため,低ずり速度における粘度測定でつねに問題となる.また,赤血球を主としたpacked cell volumeは,温度測定およびずり速度と並んで粘度に大きな効果をもっている.これらの要因は,測定成績表示の際に併記することが要請されている.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.