特集 生検の進歩
I 臓器別生検
i 組織診
1 心臓(心筋)
関口 守衛
1
,
佐藤 洋子
2
,
長尾 博明
3
,
小松 敬子
3
Morie SEKIGUCHI
1
,
Yoko SATO
2
,
Hiroaki NAGAO
3
,
Takako KOMATSU
3
1東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所内科
2東京女子医科大学付属消化器センター病理検査室
3東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所研究部病理標本室/電顕室
pp.1166-1175
発行日 1987年10月30日
Published Date 1987/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913447
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はじめに
心臓からの生検でまず考えられるのは心筋であるが,心筋の生検には今日,カテーテル式心内膜心筋生検法が広く行われている1〜10,14,15,17〜23).心筋生検の具的には,どのような心筋疾患かの種別診断と,心筋の状態を主として形態学的に把握するための病態診断との二つがある(表1)2).そこで特に後者の場合には,心臓外科手術時に心房または心室筋を採取して各種の分析をし,患者の病態や予後を知るのに役だてることになる.
なお,心筋の生検のほかに弁や血管の生検も心臓,大血管手術やカテーテル検査時に行われて,やはり診断や病態の理解のために組織標本の観察が行われる.
本稿では心内膜心筋生検法を中心として,生検組織の扱いかたや診断法,所見の読みかたなどについて実際的に解説する.
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