Japanese
English
研究
血清CK-MMサブバンドの迅速泳動法の検討と臨床的応用
Study of Rapid Method for Serum CK-MM Sub-band Electrophoresis and its Clinical Application
高橋 繁夫
1
,
長谷川 恭一
1
,
置塩 達郎
1
Shigeo TAKAHASHI
1
,
Kyoichi HASEGAWA
1
,
Tatuo OKISHIO
1
1大阪府立成人病センター臨床検査科
1Dept. of Clinical Laboratory Medicine, Center for Adult Diseases,Osaka
pp.327-330
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913279
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緒言
クレアチンキナーゼ(Creatine Kinase;CK,EC 2.7.3.2)には三つのアイソエンザイムが存在することが知られている.これらは,電気泳動上陽極側への易動度の大きさの順にBB,MB,MMアイソエンザイムに分かれる.最近,CK-MM,MBにサブバンドが存在することが報告された1〜3).このサブバンドの分析法として,アガロース2,4,5),またはポリアクリルアミドゲルを用い,泳動時間を通常のアイソエンザイム分析より延長して行うか,等電点電気泳動法1,3,6)による方法が報告されている—これらの方法は準備が煩雑なこと,あるいは泳動時間が長く,特にアガロースゲル泳動法では泳動時間が90〜120分間と長時間であること,また各サブバンドの分離が不明瞭であることなどの欠点があり,臨床的応用には問題がある.そこで私たちは,セルロースアセテート膜(以下セ・ア膜)電気泳動法を検討し,不連続緩衝液を使用することにより,短時間(30分間)で明瞭にCK-MMサブバンドを分離しえたので報告する.
また,心筋組織CK-MMサブバンドと血清中のそれとの関連性,さらに急性心筋梗塞患者血清における変動につき検討を行ったので併せて報告する.
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