私のくふう
試薬や緩衝液作製のためのシリンダーリッド
高橋 豊三
1
,
重松 貴
1
,
秋本 一郎
1
,
奥田 研爾
1
1横浜市立大学医学部細菌学教室
pp.1231
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912703
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- 文献概要
臨床検査室や基礎の研究室では,試薬作りや緩衝液,培地などの調製は検査診断や実験,研究の基礎である.これらを調製するのにスターラーがよく使われているが,時間がかかるのが何よりの欠点である.シリンダー内に調整した試薬を混合攪拌する場合に,サランラップやパラフィルムをかぶせて何回か反転すればすぐにできてしまうが,スターラーを使うと5〜10分間はかかる.溶けにくい薬品の場合はなおさらである.にもかかわらず,迅速性を要求されるサイエンスの分野で,依然としてスターラーが愛用されているのは,一見なんとなくスマートに見える点や,これらの試薬作りが主として女性の手に委ねられており,フィルムでシリンダーの口を被っても彼女らの手掌が小さいために攪拌中に液が漏れてしまうことや,また,研究に対する意欲や時間に対する観念の欠如が原因になっていることがわかった.そこでわれわれは図1に示したような,手掌に代わるプラスチックメスシリンダー(サンコープラスチック製)用のふたを考案した.試作は池本理化にお願いした.現在ではテルモ㈱が検討している.
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