今月の主題 腫瘍マーカー
技術解説
CEA(癌胎児性抗原)
稲治 英生
1
,
富永 修盛
1
,
森 武貞
1
Hideo INAJI
1
,
Shuusei TOMINAGA
1
,
Takesada MORI
1
1大阪大学第2外科
pp.1019-1023
発行日 1984年9月15日
Published Date 1984/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912289
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CEA(carcinoembryonic antigen,癌胎児性抗原)は現在臨床各分野でもっとも広く用いられている腫瘍マーカーであり,その血中濃度の追跡は癌患者の術後モニタリングや各種治療法の効果判定などにその有用性を認められている.しかし,また同時に,CEAほどその測定に多くの問題を抱えた検査法も数少ないようである.ただ,そうした問題点のうちのいくつかは,モノクローナル抗体を用いた測定系の確立や,糞便CEAの測定といったくふうにより克服可能と思われ,現行のCEAテストはまだまだ改善の余地を残していると言える.本文では,CEA測定法の1例を解説し,現行の測定法の問題点を整理してみた.
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