今月の主題 性行為感染症(STD)
技術解説
性行為感染症の検査
2・Chlamydia,Mycoplasmaの検査
加藤 直樹
1
,
西浦 常雄
1
Naoki KATO
1
,
Tsuneo NISHIURA
1
1岐阜大学医学部泌尿器科学教室
pp.130-137
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912115
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Chlamydia trachomatisとmycoplasmaであるUreaplasma urealyticumとMycoplasma hominisは性行為を通じて伝播することにより,非淋菌性尿道炎(NGU)や子宮頸管炎などの性器感染症を引き起こす.これらの病原体は分離培養法が特殊で困難なことから,わが国においては検査がほとんどなされてこなかった.しかし,C.trachomatisなどによる感染症の発生頻度は少なくなく,その検査法の普及が待たれる,検体の採取に際しては,感染部位の粘膜上皮を採取することが重要である.C.trachomatisが分離されれば病原体として治療の必要があるが,mycoplasmaに関しては,健常人からも比較的高率に分離されることから,他の病原体の検索がなされていないと,個々の症例においては病原体として意義づけることが難しいことがある.
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