負荷機能検査・31
乳糖負荷試験
戸谷 誠之
1
Masayuki TOTANI
1
1国立小児病院臨床化学
pp.804-808
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911593
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小児下痢症の原因の一つに,糖質の吸収不全(不良)症がある.糖質は栄養学的観点からみるともっとも利用されやすく,主要なエネルギー源である.したがって,もし糖質の吸収障害が生じると下痢症状ばかりではなく,栄養,代謝上大きな影響を与え,成長障害の直接的な原因となる.糖質吸収不全症には先天異常に基づくものと,他の疾患に合併した二次的糖質吸収不全症とがある.
乳糖負荷試験は,糖質吸収不全症のうち乳糖吸収不全の診断上,欠くことのできない検査法である.本稿ではこの検査法について理解を深めるために,ヒトにおける糖の消化吸収の基礎ならびに臨床的背景について解説し,次に検査法の実際について述べることとする.
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