今月の主題 生体電気インピーダンス
総説
インピーダンス計測の基礎と臨床への応用
金井 寛
1
Hiroshi KANAI
1
1上智大学理工学部電気電子工学科
pp.421-429
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911523
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生体組織の電気特性は,組織(または臓器)の種類によって著しく異なるので,これを利用して種々の測定が可能である.例えば,血液の電気抵抗(またはインピーダンス)は他の組織に比べて著しく小さいので,循環動態などを電気的に測定することができると考えられる.
このため,心拍出量,組織血流の測定,脈波の測定,腫瘍の測定などに電気的な方法が利用され,多くの研究結果が報告されてきた.しかし,これらの研究結果が実際に臨床的に実用されている例は非常に少なく,一般的には,電気的生体計測法に対する臨床的な評価はきわめて低い.この原因としては下記の点が考えられる.
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