今月の主題 新しいウイルス検査法
カラーグラフ
ウイルス感染と封入体細胞
高橋 正宜
1
,
西川 秋佳
1
1岐阜大学病理学第一講座
pp.956-958
発行日 1981年9月15日
Published Date 1981/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911327
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ウイルス感染細胞は一つには変性壊死を起こし(炎症性ウイルス),また一つには生存増殖して時には腫瘍性転換を起こすものがある(腫瘍性ウイルス).光顕的に認められる特徴的所見に封入体と巨細胞形成があり,封入体にはウイルス粒子を含むものと含まない反応産物とがある.多核巨細胞形成は感染細胞の融合によるものでヘルペス疱疹,麻疹,気道合胞細胞ウイルス(RS)などにみられる.臨床像と併せて細胞封入体の形状の特徴を知ることは,病理・細胞診検査で重要かつ迅速な診断技法となる.観察の指標としては,①核内封入体か細胞内封入体か,②封入体の数,染色性,内部構造の有無,③クロマチンの動きと明庭の有無などである.
Virus infection and its inclusion bodies
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.