研究
部分トロンボプラスチン時間の検討—第1報
塚田 はつ江
1
,
松尾 典子
1
,
鹿沼 克江
1
,
小林 紀夫
2
,
新井 仁
2
1群馬大中検
2群馬大第3内科
pp.974-979
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909094
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緒言
近年,partial thromboplastinが市販され,その入手が容易となるに従って部分トロンボプラスチン時間(partial thromboplastin time;PTT)やKaolin, ce-liteまたはellagic acidその他により活性化された血漿を対象とするPTT (以下APTT)の測定が広く行われるようになった.PTTはⅠ,Ⅱ,Ⅴ,Ⅷ,Ⅸ,Ⅹ,ⅩⅠおよびXU因子の減少を鋭敏に反応して延長すると指摘されている6)ので,この時間に関係するのは血液活性トロンボプラスチン生成に与える因子のみではない.一方,Ⅶ因子とともに血小板は全く関係しないことが知られている.しかし,血漿プロトロンビン(PT)時間測定および血小板数算定その他の血小板検査を併用して行えば,内因性活性トロンボプラスチン生成障害をトロンボプラスチン生成試験(TGT)と同様正確に判定できるといわれている5)ので,プロトロンビン消費試験(PCT)の代わりとして応用することが可能であろう.著者らは従来使用してきたPCTの代わりにPTTを採用するに当たり,PTTおよびAPTTにっいて検討を行ったのでその成績をとりまとめて報告する.
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