特集 日常臨床検査法
Ⅶ.生理
2.呼吸機能検査のすすめ方—1)一般検査
白石 透
1
,
毛利 昌史
2
1東大第2内科
2東大中検
pp.1543-1546
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908826
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
呼吸機能検査は非常に多くの種類の測定項目を有するのが特徴であって,解答を求められている課題に対応して,そのうちのいくつかを組み合わせて施行すべき性質のものである.
一般検査とは,肺の機能的異常の有無を判断すべき,いわゆるスクリーニング検査として用いられる呼吸機能検査項目を指すものと解される.このような目的のためには,従来,スパイログラムが用いられ,その結果によって,さらに精密な検査に進むべきかどうかを判定してきた.しかしながら,大気の汚染などに由来するいわゆる気管支炎の初期には,病変は気管支径2mm以下の,いわゆるサイレント・ゾーンに限局しており,通常のスパイログラムによっては異常を検出しにくいことが明らかとなってきた.その結果,スクリーニング検査のあり方があらためて問われている現状であって,数年のうちには"一般検査"の内容も大きく変化する可能性がある.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.