特集 日常臨床検査法
Ⅴ.細菌
2.分離培地の選択—2)好気性菌
奥住 捷子
1
1東大病院中検
pp.1510-1511
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908817
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どのような菌にせよ,その菌を分離しようとしないかぎり,分離できる保証はない.それは,分離培地として何を選ぶかで決まるとも言えよう.検査材料ごとに出現の可能性のある病原菌はある種類に限られているので,成書には多種多様な分離培地を使うことがすすめられているが,実際に検査にあたる場では必要かつ十分な培地を選び,最少の培地で十分な数量,すなわちそこに現れる可能性のある菌を分離できるようにしなければならない.ここには,分離培地を選択するうえでの二,三の注意点について述べる.
言うまでもないが,臨床細菌検査の特殊性は他の検査と異なり,病原菌の確認により病名が決定することがしばしばある.患者の受持医との連絡を緊密にし,検査の目的(感染の原因菌の決定,消長,追求,感染の有無の確認)を明確にし,臨床症状(疑いのある目的菌,菌交代症),治療歴(抗生物質,副腎皮質ホルモン剤,免疫抑制剤など),検体採取の方法,採取場所などを考慮に入れて検査を進めていく.
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