霞が関だより・20
ある時期のある断面—予算成立まで
I K
pp.84
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908405
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毎年のことながら12月の下旬ないし翌年の1月上・中旬は中央官庁が次年度の予算編成のため総力をあげて仕事に取り組む時期である.もちろんふだんの日がそうではないということではない.ふだんの日は予算の執行つまり事業の実施の時期に合わせて仕事をするので力が分散されるかたちになるので,そう目だたないのである.国が予算を組むということは国が事業を行ううえで必要な財源支出の裏付けをするということであるが,このことは新聞やテレビなどで大々的に報道されることでもあるのでご存知の方も多いであろう.今回は新聞などで報道されない裏方の実態をお知らせしてみることにした.
"予算は夜つくられる"という俗語があるが,たいていの場合このようなことが多い.それは,大蔵省原案が閣議を経て,各省庁に内示されるが,この第1次の内示を受けた各省庁(会計課)はこれを持ち帰り,各行政部局を経由して,各担当課へ通知するという方式がとられるからである.この間会議が持たれたり,また当然のことながら数字の書き写しなどが行われたりするのがおもな原因であろう(ここに至るまでの間,担当課では次の作業を予想して記入書式を整えたり,復活要求をする額などについてある程度楽しみながら協議したりしている).
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