検査と主要疾患・6
クッシング氏病
畠山 茂
1
1横浜市大・第2病理
pp.690-691
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908127
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人間の場合,糖質コルチコステロイドは大部分がコルチゾールとコルチゾンから成っているが,その過剰な分泌によって起こるのがクッシング氏病である.
糖質コルチコステロイドは,異化ホルモンなので筋肉や骨梁への異化作用によって,アミノ酸を引き出すので,筋肉は弱くなり,骨質の吸収による骨多孔症を起こす,これらのアミノ酸は,肝で糖に変えられるので高血糖症の原因となり,余分の糖は脂肪となって蓄積されるので,この病気に特有な体幹を中心とした脂肪蓄積が目立ち,buffalohumpとかmoon faceと呼ばれる状態になる.また皮膚の弾力線維が弱くなって断裂するので,皮膚に赤い線条(striae)ができる(図1).またよくみられるステロイド性胃潰瘍は,胃酸とペプシン分泌が高まった結果である.
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