特集 輸血業務と臨床検査
産婦人科ならびに新生児・小児科における輸血手技の特異性
白川 光一
1
1香椎病院(福岡大暫定病院)産婦人科
pp.1320-1328
発行日 1972年11月1日
Published Date 1972/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907829
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
輸血は近代医学における最有力な治療手段の1つであるが,産婦人科はその必要度,ことに緊急輸血の最も大なる科の1つであり,また新生児期には交換輸血という独特の輸血療法が不可欠となっており,さらに新生児〜小児期においては,近年その外科手術成績の向上が刮目されるに至っているが,その最大の原因の1つとしては輸血(液)手技の進歩をあげなければならないものと考えられる.そしてこれらの領域における輸血に関しては主として微小手技的(microtechnique)な純粋の手技上の特殊性が要求される点が少なくないほか,使用血液選択に関しても特殊の血清学的考慮が要求される.そして本特集号に著者へのテーマが設けられたゆえんもここに存在すると考えられるので,本稿ではこれらの特殊事情に重点をおいて述べることとする.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.