新しいキットの紹介
RPRの梅毒検査における実用性の検討
金丸 佳郎
1
,
有泉 昇
1
,
保坂 みさ
1
1山梨県立衛生研究所
pp.753-755
発行日 1972年7月15日
Published Date 1972/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907682
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梅毒の血清学的反応(補助診断法)としては,脂質抗原(Cardiolipin-Lecithin抗原)を用いた方法と,トレポネーマ抗原を用いた方法とがある.わが国で広く行なわれている方法には,前者として緒方法,凝集法,ガラス板法(Serologic Tests for Syphilis;STS),後者としてFTA-ABS法(Fluorescent Treponemal Antib-ody-Absorption Test),TPHA法(Treponema Pa-llidum Hemagglutination),RPCF法(Reiter ProteinComplement Fixation)がある1).多くの検査機関では脂質抗原を用いたSTS3法を行ない,その陽性血清について,TPHA法を実施しているようである.また,保存血液の厚生省生物学的製剤基準2)によれば,STSのうち沈降反応,補体結合反応,各1法を実施すればよいことになっている.
これら広く用いられている脂質抗原による方法は,抗原の調整,検査器具の整備など,種々の問題があり,スクリーニングに使用されるガラス板法といえども例外ではない.各法の梅毒に対する特異性は,STS3法を併用して85%,TPHA法,FTA-ABS法は98%以上である3).
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