Senior Course 病理
症候と病理組織検査(1)不整脈
三友 善夫
1
1東医歯大・病理
pp.101
発行日 1971年1月15日
Published Date 1971/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907079
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心臓収縮の興奮は心房から心室へ刺激伝導系によって伝えられ,心房心室の順に心筋は収縮する.その刺激の発生と伝導の異常は,リズムの不規則な脈拍として現われ,不整脈と呼ばれる.刺激の調律は洞房結節に終わる自律神経により支配され,脊髄を起点とする交感神経はエピネフリンを分泌して脈拍を促進させ,延髄からの迷走神経はアセチルコリンにより脈拍を緩徐にする.したがって脊髄や延髄に,またはそれらから洞房結節に至る径路に何か病変が起こると脈拍のリズムは影響される.精神的興奮,運動,体温上昇,新陳代謝亢進時に頻脈を呈し,粘液水腫,栄養失調時に徐脈が見られるが,この機能的な原因は別として心筋,刺激伝導系に見いだされる形態的な病変とその検索法について述べたい.
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