特集 日常検査法—基礎と要点
部門別の基礎技術
Ⅶ.生理検査
生理検査を行なう者の一般的な常識
樫田 良精
1
1東大・中検部
pp.1343-1344
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907012
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臨床検査のなかで生理検査はその他のものに比べてかなり違った性格をそなえている.それは検査の対象が人間のからだそのものであり,人体に直接検査機器を使って検査データを得るという点である.
近年,工学技術の急速な進歩のおかげで医学の領域にも新しい機器が続々と導入され,活用されるようになったが,その1つの大きな領域は臨床生理学検査である.最近の工学技術のなかで特に進歩の著しいものの1つにエレクトロニクス(電子工学)がある.エレクトロニクスの医学への応用が種々の面で日に日に盛んに行なわれていることは読者もよくご存知と思うが,この医学と工学との新しい境界領域の研究・発展をになう学問として医用電子工学(Medical Electronics)が誕生した.心電計,脳波計などの発達はこの新しい学問とその技術に負うところが非常に大きい.わが国では医用電子工学を主軸に,その他の医学で用いられる新しい工学技術を加えてMEとかME機器ということばを常用している.MEはMedical ElectronicsあるいはMedical Engineering(医用工学)の略である.
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