特集 日常検査法—基礎と要点
部門別の基礎技術
Ⅵ.病理学
手術材料の検査
三友 善夫
1
1東医歯大・病理
pp.1327-1337
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907010
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はじめに
最近,病理組織検査室で取り扱う手術材料も治療医学のめざましい進歩とともにその種類を増し,検索の対象となる疾患の発生原因,発生過程,本態などの病理形態学的追求も必ずしも容易でなく,特に諸種の治療によって修飾された病変の解明にはしばしば困難を経験することが多い.病理組織検査の中でも生検と細胞診が疾患の診断を目的とするのに対して,手術材料は生検や細胞診による診断に基づいて施された外科的治療の結果であることが多く,生検や細胞診とはその性格を異にし,手術材料は生検や細胞診ほどの迅速性を求められない替わりに,精細で確実な検索法が行なわれる.主として次の項目にわたって検討されている.
1)病変の性状と種類
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