特集 日常検査法—基礎と要点
検査室の基礎知識
Ⅰ.器械・器具の扱い方
冷蔵庫・恒温装置
白戸 四郎
1
1神奈川県立衛生短大
pp.1169-1170
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906978
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1.種類
冷蔵庫といえぼ昔は氷冷蔵庫のことであったが,現在は電気冷蔵庫があたりまえとなり,最近はそれも2ドア式のものが流行している状況である.ところで,検査室の中には,冷蔵庫の範囲に入れるべきものが,このほかにも少なくない.たとえば血液銀行で使う血液保存用冷蔵庫,薬品保冷庫,ディープフリーザー,屍体用冷却装置,これらは名前が違うばかりでなく少しずつ内容も違う.
恒温装置となるとまず考えるのは恒温水槽であろうが,このほかにも凝固検査機器にはそれぞれ専用の恒温槽があるし,恒温振盪培養装置,ワールブルグ検圧装置,ふ卵器,低温恒温装置,パラフィン溶融器,定温乾燥器などいろいろとある.これらをひとつひとつ説明する字数もないので,垣温装置とはどういうものかを始めに考えてみたい.温度に限らずある状態を一定に保つためには,なんらかのフィードバック機構がなければならないが,冷蔵庫にしろ恒温装置にしろ,加熱冷却の双方の機能をもったものは非常に少ない.普通の恒温水槽には加熱用のヒーターだけが組み込まれていて,温度が上がりすぎたときは自然に冷えるのを待つ形となっているが,この方式では室温すれすれ(+5℃以内),あるいは室温より低い温度は得られない.
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