ひろば
検査器械も一員
村田 徳治郎
1
1ベトレヘムの園病院臨床検査科
pp.460
発行日 1970年5月15日
Published Date 1970/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906778
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検査室を見学させてもらうことは,自分が反省するうえに大いに役だつし,そのうえ教科書にない勉強ともなり,技術的な点のみならず臨床検査技術士として,参考になる貴重な経験といえよう.ある大病院の病理室で30-40年前のザイッ(ドイツ製の顕微鏡が,今も第一線で活躍しているのを見て非常に驚いてた.しかも,染色程度の判別という,顕微鏡にとっては悪い条件ながら,よくその任を果たしていた.レンズの解像力も良好であり,全体として使いよいなという印象を受けた.
あるメーカーの技術者が"私ども制作した者でも,あの機器を使いこなすのはむずかしい,また故障が出た場合もう修善する自信がない"と7-8年前かもっと古い型の脳波計を前にして,嘆息とも感心ともつかないようであったが,とにかく現に,ある女子技術者によって非常に調子よく第一線で働いているのである.自分の技術の未熟を棚に上げて,一方的に器械の責任にしてしまう技術者も多い中で,1つの参考例としたい.
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