ひろば
人工血清
大林 弘幸
1
1静岡県立中央病院臨床検査科
pp.664
発行日 1969年8月15日
Published Date 1969/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906489
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ふだん健康を自慢しているあなたの血液が検査の結果,病的な値として報告されたら.あなたはさぞびっくりすることでしょう.—というのは,私は,いささか電気泳動法による血清タンパク分画に自信がありました.その私としたことがはしたなくも,あるとき,"正常"であるべき患者血清が病的な測定値として報告されたと注意がありました.
たしかに,この患者の最近の検査結果は,"正常"そのものであり,患者の名前が間違っていたか.患者血清が入れかわっていたか.検査物提出より報告までの間違いとなる原因を1つ1つ探していっても心当たりなく原因不明,わりきれない気持のままとなりました.数日後,その原因追求のため1つの実験を思いつきました.
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