1ページの知識 血清
生体内抗原性
安田 純一
1
1国立予防衛生研究所
pp.501
発行日 1969年6月15日
Published Date 1969/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906443
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完全抗原とハプテン
ある物質の抗原としての特異性を調べる方法の1つは,実験動物に注射して特異的な抗体が産生されるかどうかを見ることである.ある病気に罹患すると,一定期間(ときには終生)その病気に対して免疫を獲得することは,太古以来知られていた.これが病原体の感染によって特異的な抗体が産生された結果であるとわかったのが,今日の免疫学・血清学の基礎であることは申すまでもない.しかし,試験管内で対応抗体と特異的に反応することと,生体に注射ざれたとき抗体を産生することとは,常に相伴って起こるわけではない.
たとえば,梅毒血清反応の類脂体抗原は,そのままウサギに注射しても抗体を作らせることはできないが,すでに(たとえば梅毒感染によって)産生されている抗体と試験管内て抗原抗体反応(補体結合反応,沈降反応)を起こす.
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