技術解説
雑菌性真菌(1)
山下 憲治
1,2
1京大耳鼻咽喉科
2元:国立京都病院耳鼻咽喉科
pp.482-487
発行日 1969年6月15日
Published Date 1969/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906437
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はじめに
雑菌性真菌(fungal contaminants)とは,病的材料の培養に際し,空中から落下し混入した真菌や,また生体に常在している常在真菌(residents),一時的に生体に存在していた仮寓真菌(transients)などが,病的材料とともに接種されて,培地に生えてきたものであって,培養目的の病原真菌ではないもののことである.
それには,はなはだたくさんの種類があり,その同定は真菌学専門家でないと非常に困難であるが,普通によくみられる雑菌性真菌のいくつかについて,簡単に非専門家むぎに解説してみよう.
ただし,ここに述べる菌は常に非病原菌とは限らない.Aspergillusの数種はもちろんのこと,Scopulariapsis,Penicillium,Cladosporium,Mucor,Absidia,Rhizopusのあるものは,ときに明らかな病原菌であることがある.
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