1ページの知識 細菌
普通寒天にはえる病原菌(1)
木村 貞夫
1
1栃木衛研所
pp.240
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906369
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病原ブドウ球菌の検査同定
細菌は,形態のみではなかなか同定がむずかしいことについては,前回までに述べた.そこで,細菌の同定を正確に行なうには,どうしても培養が必要になる.先人の努力によって,現在,病原菌のなかで人工的に培養できないものはらい菌だけであるが,培養にはいろいろの問題がある.
われわれが,そこから細菌を培養しようとする材料(糞便・喀痰・尿・膿・血液など)には,多くはいくつかの菌がいる.このいくつかの菌のうち,われわれの目的とする菌のみを取り出したい(分離培養)し,その菌のみを純粋に培養したい(純培養).そうすることによってはじめて,その菌の性質を調べ同定することができる.このためには,液体で培養するよりも固形のものの上で培養することのほうがよいことはもちるんである.これには,コッホー派によって開発された賦形剤として寒天を用い,これに肉汁浸出液を含ませたもの(普通寒天培地)の上に培養する方法が一般的である.
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