展望
臨床検査室の技術員の研究について
小酒井 望
1
1順天堂大学医学部臨床病理学教室
pp.617-620
発行日 1961年10月15日
Published Date 1961/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905885
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「臨床検査室の技術員はどんな研究をすべきだろうか」とか,「医師の研究助手をつとめるだけではつまらない。自分の研究がしたい」とか,あるいは「医師と同じような研究をするのはおかしい。技術員には技術員の研究があるはずだ」とか,最近「技術員の研究」をめぐって,技術員からも医師からもいろいろの意見が出されている。
病院の検査室は研究の場ではない(国立病院の臨床検査室のように研究検査科と呼ばれているところもあるが,この場合も名称はともかく内容は検査室である)。臨床各科の必要とする諸検査を日常検査として,その一定量を毎日行ない,信頼度の高い検査成績を臨床各科に提供する,診療部門に対するサービス部門である。そして臨床検査室に働く技術員には,自己の分担する検査種目に関する知識を広め,技能を練磨し,常に信頼度の高い検査成績が出せるようにすることが要求される。そして技術員にとっては,研究は本務ではない。これが今までの通念であった。もちろん今後ともその本務は変わらないであろう。
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