技術解説
寄生虫感染の"試験管培養法"による診断
佐々 学
1
1東大伝染病研究所寄生虫研究部
pp.473-479
発行日 1960年8月15日
Published Date 1960/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905732
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人体寄生線虫類のうち,ズビニ鈎虫,アメリカ鈎虫,毛様線虫,糞線虫などは便中に排出された虫卵が孵化し,フイラリア型の感染幼虫にまで外界で発育する。寄生虫感染の培養診断法というのはこの性質を利用して,幼虫を検出しその種類を同定する検査法である。
こういう試みは,とくに我国において古くから一部の寄生虫学者などによつてとりあげられ,色色な方法が考案されて来たが,とくに最近数年間にその方法が改良されて,臨床検査や集団検診にも充分に応用しうるようになつた。ここには,とくに我々が寄生虫の集団検診にひろく実施している方法を紹介し,その実用価値や長所,短所を解説したいと考えた。
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