展望
ウイルス・リケツチア病の実験室診断法(1)—検査の依頼法と結果の解釈を中心にして
内田 清二郎
1
1東大伝研特別検査室
pp.15-20
発行日 1960年1月15日
Published Date 1960/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905655
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現在,細菌の検査はルーチンワークとして広く実施されているが,ウイルス・リケツチアの検査は殆んど日常化されていない。しかし最近になつてようやくこの領域を開拓しようとする機運がおこつてきた。そしてまだ試験的な実施の段階であるにもかかわらず各科とくに小児科方面から積極的に利用されだしている。
そこでこれらの検査を行なうときの特に臨床の側で必要だと思われる知識をここにまとめてみた。すなわちある症状にたいして病因として考えられるウイルスの種類,それらのウイルスをしらべるための材料のとりかた,とる時期および検査機関への送りかた,えられた結果の解釈の仕方などである。不完全な記述も多いのではないかと思われるがその点ご指摘いただければ幸せである。なお直接には必要でないと考えられる診断法の技術的な面はいつさい省略した。それについて詳しいことを知りたい方は細菌学実習提要,臨床細菌学提要,衛生検査指針などを参照していただきたい。
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