研究
蛋白計について
中村 健三
1
1板橋日大病院生化学検査室
pp.739-744
発行日 1958年12月15日
Published Date 1958/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905533
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臨床検査の発展に伴つて機械による検査が一般化され,従前に比べて成績の精度も上昇更に能率的に成つた。しかしこれらの機械は誤つた使用により非常に大きな誤差と成る。最も簡単であり,光電比色計に次いで使用回数の多い蛋白計は,繁雑な検査室には欠く事の出来ない存在である。この蛋白計についても誤差となる原因は種々考えられる。機械的に決つて居り変えられないものは除外しても,蛋白計の取扱上軽視出来ないものを,案外過小に評価した為に,或いは性質を理解していなかつた為に単に目盛を読んで直ちに蛋白濃度と決めてしまう場合が有り得ると思う。蛋白計の目盛は蛋白濃度として表わされると同時に,屈折率に影響する物質の多少によつてもその成績が左右される事は衆知の通りだ。しかし最も重要なこの屈折率について記載された文献は殆んど見つからない。これらの事を中心に構造,原理等についての説明を簡単に加えて見る事にした。充分でない個所もあり既に御承知の事を記載する結果にもなるが,浅学の為とお許し戴きお気付きの点についての御指導をお願いする。
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