特集 造血器腫瘍
Ⅳ 検査の実際
6.多発性骨髄腫と関連疾患―5)骨代謝マーカー
得平 道英
1
Michihide TOKUHIRA
1
1埼玉医科大学総合医療センター第二内科
pp.1439-1441
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905255
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はじめに
近年骨代謝のメカニズムに関し,骨を取り巻く種々の代謝産物を測定することによって解明が進んできている.これらの代謝産物を骨代謝マーカーと呼び,骨形成マーカー,骨吸収マーカーに大きく分けるのが通常である.骨は80%の皮質骨と20%の海綿骨より形成されている.前者は主としてオステオンという円柱状の構造体,後者はパケットという半月体の構造体から形成され,破骨細胞および骨芽細胞の両細胞による破壊,構築が絶えず行われて骨が維持されている.このバランスが骨吸収優位に傾くと,骨粗鬆症や多発性骨髄腫の骨破壊の病態となる.本稿では,骨代謝マーカーを全体的に解説した後,多発性骨髄腫における代謝マーカーおよび治療としてのビスホスホネート(Bisphosphonate;BP)製剤について記述する.
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